総監修:東邦大学医療センター 佐倉病院 消化器内科
教授 松岡 克善 先生

日常生活のポイント

クローン病の病状をより良くコントロールするには、日常生活の工夫も必要です。
日常生活のポイントを紹介しますが、これを守ろうとしすぎてストレスになってしまうこともありますので、無理のない範囲で工夫し、分からないことや困ったことがあれば、医師、薬剤師、看護師などに相談しましょう。

食事

食事

病期によって食事を工夫しましょう

病期により、推奨される食事の内容や摂り方が異なります。特に、小腸に病変がある場合は、食事の影響を受けやすいので注意が必要です。

活動期

症状緩和のため、絶食をし、点滴や栄養剤で栄養補給を行うこともあります。

寛解期

症状や腸管の状態を確認しながら、徐々に食事を開始します。
食事は、高エネルギー、低脂肪、低残渣※が推奨され、このような食事を続けることで再燃を起こしにくくなると考えられています。
※低残渣とは、胃腸に負担をかけない食事のことで、主に不溶性食物繊維を避けるようにすることです。

患者さんの病状により、食事の内容や摂り方は異なりますので、主治医や栄養士とよく相談してください。

アイコン46
喫煙

喫煙

禁煙が推奨されます

喫煙は、クローン病を悪化させますので禁煙することが望まれます。
受動喫煙もクローン病を悪化させる恐れがありますので、ご家族に喫煙者がいる場合は禁煙いただけることが望ましいです。

飲酒

飲酒

寛解期での飲酒は適量に

活動期では、飲酒は控えてください。
寛解期では、飲酒は可能ですが、アルコールは下痢の原因となるため、適量摂取を心がけてください。

併用する薬について

併用する薬について

他のお薬を服用する際には、主治医や薬剤師に相談しましょう

お薬の中には、消化管の粘膜を障害したり、現在服用しているお薬の作用を強めたり弱めたりする可能性のあるお薬があります。クローン病の治療以外のお薬(市販の痛み止め、風邪薬なども含みます)を服用する場合は、主治医や薬剤師に相談をしてください。

妊娠・出産について

妊娠・出産について

妊娠を希望される場合には、必ず主治医に相談しましょう

寛解期であれば、クローン病の治療を受けながらでも、おおむね安全に妊娠・出産が可能です。
一方、活動期に妊娠・出産を迎えると、炎症を抑えることが難しくなり、病状が悪化する危険が増すこともあります。また、低出生体重児、早産などのリスクも高まります。
妊娠を希望される場合には、必ず主治医に相談しましょう。

女性が女医に相談しているイラスト